この記事では、甲子園常連高校/野球強豪校の練習時間や練習メニューの内容についてお伝えしていきたいと思う。

「目指せ甲子園!」という言葉は、よく耳にする言葉である。

高校球児なら誰しも口にするし、甲子園という夢の舞台に立つことを目標に日々練習に勤しむのはもちろん素晴らしいことだ。

それでは甲子園常連高校とそうでない高校、同じ目標に向かって努力をしているはずなのに、甲子園にまったく届かない高校がいるのはなぜだろうか。

もちろん、選手力の差はあるだろう。強い高校には強い選手が集まり、そしてまた更に強い高校になり、それを見てまた強い選手が・・・というループが成立してしまうこともある。

有力な選手を県外から寄せ集め、地元出身の選手がほとんどいないというケースもある。

しかし、寄せ集めたからといって、必ずしも強いチームになるわけではない。

強いチームとは、「勝てる」という自信に繋がるほどの厳しい練習を、3年間継続して行っているのである。

中学ではエースで4番だったような子も、その肩書きは高校野球では無意味。どれだけ自分に厳しく、チームの為に行動できるかが求められるのだ。

今回は、甲子園常連高校/野球強豪校の練習にスポットを当て、いかにして日々を野球に費やしているのか、弱いチームとの絶対的な意識的な差はどこなのかを紹介していこう。

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甲子園常連高校/野球強豪校の練習時間や練習メニューの内容とは?

それでは早速、強豪と呼ばれる高校の練習をみていこう。

福島-聖光学院

聖光学院は、とにかく「精神力」を鍛えることを大切にしている。

専用のグラウンドには、「不動心」という言葉が掲げられ、野球をやる以前に一人の人間としていかに成長できるかを追求している。

人間の成長過程にある幸不幸のすべてを前向きに受け入れられる心を養うこととし、選手に求めるのは、品格、佇まい、凛々しさ、雄々しさ。これが不動心の真の意味であると、斎藤監督は語っていた。

通常の練習時間は授業が終わる午後16時から、21時ほど。強豪であればそこまで長いというわけでもない。

しかし、精神力を鍛えることに特化し、身体だけでなく心も同時に鍛えるという意味では、何倍も長く感じるだろう。

精神力は、野球の練習でも鍛えられている。

「プレッシャーバッティング」と呼ばれる打撃練習も、精神を鍛えることを重んじている聖光学院ならではの特徴的な練習だろう。

この練習は、一人だけがバッターボックスのゲージに入り、他の選手がゲージの周りを取り囲み、ひたすらに大きな声をかけ続けるのである。

その内容は「がんばれ」などという生易しいものではない。「いつでも変わってやるぞ!」「打球弱すぎんぞ!」と、ともすれば罵声にも聞こえかねないようなプレッシャーを掛け続けるのである。

このプレッシャーのなか、ひたすらにバットを振るしかない選手達だが、下級生はそのプレッシャーに耐え切れず、涙を流しながらバットを振り続けるのだという。

しかし、この練習によって、甲子園のような大きな舞台でバッターボックスに入ったとき、雑音に耳を奪われず自らの集中力を高めることができるのである。

他にも特徴的なのが「寝ずの合宿」である。三日間不眠不休で練習と試合を続けることにより、どのような状況でも戦える精神力を養う。

合宿の際には「地獄の山下り」というメニューもあり、バスで頂上付近に行き、懐中電灯だけを頼りに一晩かけて山を駆け下りていくのだ。

福島代表10連覇を目指す聖光学院。今年も鍛え上げられた精神力で、甲子園の舞台を目指す。

 

西東京-日大鶴ヶ丘高校

東京の私立である日大鶴ヶ丘高校。

こちらは東京都杉並区の清閑な住宅街に練習場があるという関係から、グラウンドの使用に制限がある。常に野球に触れられるような環境ではない。

近隣住民に配慮し、朝の練習は7時半。授業が始まるまでの正味40分間しか時間は取れない。

放課後の練習も、18時には全体練習が終了し、その後は自主練習。しかし、19時までには校門を出るというルールがある。

朝練習を含めても、3時間にも足らない練習時間。しかし、そんな限られた環境の中で、強豪ひしめく西東京地区を勝ち抜き、3度の甲子園出場を果たしている。これにはどんなカラクリがあるのか。

それは、練習の質を最大限に保つこと。選手達は1分1秒の大切さを理解しているので、常に動きは全力。グラウンドに向かうその時間ももったいないと、制服のままダッシュで学校から駆け出していく。

また、グラウンドを移動するときも、内野手はサイドステップ、外野手はバックステップで移動し、ただの移動時間も無駄にしない。

他にも特徴的な練習として、6種類のキャッチボールというものがある。

これは実際の守備を意識した動きを取り入れ、スナップスロー、逆シングルキャッチなどの感覚を養うために行う練習であり、ただただ肩を温めるだけではなく、限られた練習時間を効率的にこなす工夫のひとつだろう。

雨が降ったときは、ひたすら座学に取り組む。

現代の球児はルールをよく知らないことも多いということから、野球のルールやセオリーを、この座学の時間で徹底的に叩き込む。

それも3~4時間。

”野球”というスポーツを知ることでプレーに奥行きが生まれ、いざというときに瞬時に判断ができるようになるのだとか。

ただ長々と練習をこなすだけでは、甲子園には辿り着けない。

逆にいえば、質さえ伴っていれば、日大鶴ヶ丘のように強豪を押しのけ甲子園という舞台にも立てるのである。

置かれている環境を最大限に生かす、日大鶴ヶ丘。今年の夏も、早稲田実業をおびやかす存在となるだろう。

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埼玉-浦和学院

2013年センバツの覇者でもある浦和学院。

寮生活の厳しさでも有名な浦和学院野球部だが、練習もハードさは群を抜いていた。

まず、朝練の開始時間は早朝4時。1周700mのコースを10週。しかも1周は3分以内という制限付きである。

その後は体育館に移動し、10mの綱のぼりを5往復。

その次はサーキットトレーニング。腕立て、腹筋、バービージャンプ、スクワットを4種類を2周。

腹筋は1週目は1分間で60回、2周目は30秒でひねりを入れて30回、スクワットは開脚で50回、バービージャンプは20回、腕立ては20回。これを1周8分以内でインターバル1分間を置いて2周目は6分半という、こちらも時間制限つき。

繰り返すが、これはまだ朝練である。

放課後練習では、実戦を意識した練習に移っていくのだが、浦和学院の特徴は「ミスは連帯責任」ということである。

4人一組で行うバント練習では、1人がミスをすればその場ですり足走というペナルティ。

ノックにおいても、ミスした選手がいた段階で最初からやり直し。

こうして連帯感を高め、「個の活躍」よりも「チームとしてどう動くか」を意識できるようになっていくのである。

ユニークな練習方法としては、木の板をグラブに見立てたノックや、逆打席に立ってノックを受けるというものもある。

森監督はとにかくユニークで最新の練習を取り入れることで、日々生まれ変わっていく野球に対応しているのだ。

もちろん練習の後には以前に紹介した食トレが待っている。

こうして、これまで「埼玉では甲子園では勝てない」といわれていた風潮を打破し、今や名門と呼ばれる高校にまで成長していったのだ。

まとめ

いかがだっただろうか。

今回は、特徴的であった高校3つを紹介した。

とにかく長時間、野球と向き合う高校もあれば、限られた時間を最大限に生かす高校もある。

ただ量をこなす練習は、ただの自己満足。いかに質を高められるかが、勝てる高校の共通点である。

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