高校野球やプロ野球を観ていると、背中に番号が示されているのを目にしたことはあるだろう。
プロ野球選手は様々な番号をつけているし、高校野球では1~18番の背番号をつけている。
さて、この背番号であるが、特に高校球児にとっては大きな意味を持つものとなる。
なぜならこの背番号、決して適当に選んでいるわけでも、選手の好みで好きな番号を付けているわけでもない。
高校球児なら分かり切っていることだろうが、この背番号を貰うために、日夜血の滲むような努力をしているのである。
いわば、「努力の結晶」。あの何気なく目にする背番号には、様々な感情が込められているものなのだ。
それでは、どのように背番号は振り分けられているのだろうか。
今回は、野球の背番号の1番や4番の意味や決め方、人気の番号を紹介していこうと思う。
野球の背番号の1番や4番の意味や決め方~高校編~
そもそも、初めて日本の野球で背番号がつけられたのは、1931年(昭和6年)の第8回選抜中等学校野球大会(現在の選抜高等学校野球大会)である。高校野球の場合には、出場枠に応じて1番から始まる背番号(例えば18番まで)を使用する。
特に1~9番は、レギュラー選手がつけるものであり、それぞれの番号に以下のポジションが割り振られている。(なお、この背番号によってポジションが固定されてしまうわけではない)
1・・・ピッチャー
2・・・キャッチャー
3・・・ファースト
4・・・セカンド
5・・・サード
6・・・ショート
7・・・レフト
8・・・センター
9・・・ライト
1番は、言わずと知れたエースナンバーである。その高校で最も良いピッチャーのみが背負うことのできる、絶対的な番号である。
それ以外も一桁の背番号は、その高校で最も優れた各ポジションの選手に付けることが許されるものだ。
次に2桁台(10~18)であるが、これはチームによって意味合いは異なるが、概ね10番、11番は投手が付けている印象だ。
12~17番はそれぞれ各ポジションに10を足したもの、18番はそのチームの元気印が付けているようなことが多かった。
さて、ここでは18番までを紹介したが、地方によっては予選大会までは20番までベンチに入ることができる。
私の地元もそうだった。
しかし、甲子園では18番までしかベンチ入りすることはできない。ということは、甲子園に出場が決まった時点で、2人、ベンチから外されてしまうことになる。これほど残酷なルールは無いのではないだろうか・・・。
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さて、プロ野球は高校野球とは違い、0~99番の、様々な番号を付けている。
しかしこれも完全に適当に付けているわけでない。
ルールとして決められている訳ではないが、投手には投手の、野手には野手の背番号といったものが存在する。
右投手であれば、11番、18番、19番はそのチームを代表する選手に付けられることが多い。
例・・・大谷(11番)、田中将大(18番)、前田健太(18番)、菅野(19番)etc・・・
左投手であれば、28番、34番、47番を着用していることが多い。
例・・・大隣(28番)、山本昌(34番)、工藤(47番)etc・・・
さて、それでは3桁の背番号を付けている選手とは一体なんなのだろうか。
3桁の背番号、それはつまり「支配下登録されていない選手=育成選手」である。1軍の試合には出場する権利を持たない選手達だ。
彼らは背番号を2桁にすることを目標に、もしかしたら大学生達のほうが充実しているかもしれない程の環境で努力を続けている。
また、逆に支配下登録から育成へと降格する選手もいる。
解雇される前の最後通告といったところだろう。
もちろん、ここから再び這い上がってくる選手もいる。東京ヤクルトの由規も、怪我を理由に育成に落ちたが、並々ならぬリハビリとの格闘で、再び支配下登録へと返り咲いた。
WBC2017でベストナインに輝いた千賀(ソフトバンク)も、もとは育成選手。そこから這い上がり、いまやメジャーリーグも注目するほどの選手へと成長した。
プロ野球の世界でも、背番号を巡る争いは続いているのである。
まとめ
甲子園で普段何気なくみている背番号であるが、その背中には言葉だけでは語りつくせぬ努力や涙、嫉妬や喜びや血や汗が染み込んでいるのだ。
春まではエースナンバーを背負っていた選手が、夏の大会では背番号すら与えられていないということも多々ある。
これから高校野球を観戦する際には、その背中に背負っている番号にも、是非注目してみてほしい。