今回は、【野球グラウンドの整備方法】トンボのかけかた&正しい使い方”と題して、正しいグラウンド整備を説明していこう。
野球は、グラウンドなくしてプレーはできない。
荒れたグラウンドでプレーすれば、イレギュラーしたり、スライディングしたときに足を引っ掛けたり、最悪の場合大怪我にも繋がりかねない。
だからこそ、毎日練習の後には部員全員でグラウンドに感謝しながら整備し、最後に一礼をしてから帰るのである。
昔、私が所属していた野球部の監督はこう言っていた。「グラウンド整備が下手なチームは、弱いチーム。強くなりたいなら、まずはグラウンドをキレイにしてからにしろ」と。
部員全員が横一列に並び、統率の取れたトンボがけをしていると、その姿だけで強く感じるものである。
しかし、上手くグラウンド整備をしようにも、やり方を知らなければどうしようもない。時折、”ただグラウンドを撫でているだけ”のような、意味のない整備をしている球児をみかけるが、それならやらないほうがマシ。
まずは正しいトンボがけを理解し、意味のあるトンボがけができるようにしよう。
正しいトンボがけのやり方
①左手を前に、右手を後ろにして、トンボを握る
②左手は添えるようにし、右手を前に送り出すようにして、トンボを押す
③左手も利用し、右手を引くようにして、トンボを戻す
これが一連の流れである。
これを横移動しながら、均等に土が行き渡るようにして、掛けていくのである。
あまり強い力はかけず、あくまで土をならすことを目的に、トンボをかけていこう。
ベース付近は、スライディングしやすいよう、柔らかい土を走路上に少し多めにするのもポイントだ。
ただし、あまり多く盛りすぎると、プレー中に足がもつれる可能性もあるので、ほどほどに。
さて、それでは次に、チーム全体で掛けるときに効率の良い掛け方を紹介しよう。
[ad#ad]チーム全体でのトンボの掛け方、整備の仕方
①ホームベースから一塁方向に向かって横一列になり、まずは小石を拾っていく。どんなにキレイにトンボを掛けても、小石が残っていれば良いグラウンドとはいえない。一通り拾い終わったら、一歩下がり、同じように小石を拾っていく。これを三塁線上にいくまで継続する。
②小石を拾い終わったら、トンボがけ。一定の間隔を空け、横一列になり、ホームベースから一塁方向に向かってならしていく。先頭の人は、一塁ベースを目安に一歩下がり、折り返す。二人目、三人目と折り返していき、先頭の人は三塁線上に着いたら折り返す。(マウンド上は避ける)
③これを繰り返し、内野全体まで整備が行き渡ったら先頭からグラウンド外へ抜けていく。しかし、最後の折り返しでは足跡が残ってしまうので、列の最後の人は、足跡を消しながらグラウンドを抜けていく。
④最後にベース付近にバラけ、土を均等にならしたら、終了である。
これがチーム全体でのトンボがけの仕方である。(チームによっては別のやり方ももちろんあるので、あくまで参考程度に)
グラウンド整備の仕方
①2~3人を除き、先ほど説明した全体トンボがけでグラウンドを整える。
②2~3人は、マウンド上をならすようにしよう。マウンドの場合、投球後にはかなり深く土が掘られている。これをまずは埋めるようにしよう。ジョウロで水を軽くかけて土を濡らし、足で踏み固める。これを数回繰り返していく。少しずつ掘られた土が埋まっていくので、埋まるまで繰り返そう。
マウンドが終わったら、バッターボックス。ここもかなりスパイクで掘られているので、同じ要領で埋めていくようにしよう。
③全体でのトンボがけが終わったら、ブラシをかけていく。大抵のグラウンドには、緑色の大きいブラシがあるはず。それを、マウンドの外回り部分から時計周りに円状にブラシがけしていく。ブラシがけを加えるだけで、かなりキレイなグラウンドになる。
保土ヶ谷球場名物・「隼人園芸」
最後に、神奈川大会、保土ヶ谷球場名物である、横浜隼人高校のグラウンド整備をみてみよう。是非、このグラウンドへと向き合う姿勢を参考にしてほしい。
横浜隼人高校野球部の1、2年生部員が補助員としてグラウンド整備を担当している。このグラウンド整備が、もはやひとつの「パフォーマンス」としても、有名になっているのだ。
太ももと地面の角度を90度になるように深く腰を落とし、トレーニングにもなるグラウンド整備である。
まずグラウンドに大声で挨拶。この時点で見習うべき点である。
統率の取れた、息のあった動き。そしてキビキビと動き、ヒマそうにしている人は一人もおらず、全力でグラウンド整備をしている。
横浜隼人高校は、入部してすぐに、このトンボがけを覚える。このトンボがけがマスターできなければ、練習にすら参加は許されない。しかも、一人1本、”マイトンボ”を用意するほど、グラウンド整備にも重きを置いている。
限られた練習時間を1分1秒も無駄にしないために、迅速に、しかもトレーニングになるような動きをすることで、少しでも練習になるように工夫されたトンボがけなのだ。
いまでは”隼人園芸”と呼ばれるほど恒例化しており、隠れファンもいるほどだという。
是非、こちらも参考に、野球に向き合ってほしい。
まとめ
いかがだっただろうか。
グラウンドをきれいに整えることで、次の日の練習も気持ちよく行えるようになる。もし、下級生に整備を押し付け、自分はのんびりとしているような人がいたら、グラウンド整備に参加するようにしよう。
その姿勢は後輩にも伝わり、慕われるようになるだろう。また、その下級生が上級生になったとき、グラウンド整備に参加していれば、またその後輩が慕うようになる。やって損なことはないのだ。
日々、グラウンドを使える状況を当たり前に思わず、感謝の気持ちを大切に、使うようにしよう。
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