野球の乱闘はなぜ起こる?報復行為の原因や暗黙のルールも紹介

今回は、野球の乱闘はなぜ起こるのか、また、報復行為の原因や暗黙のルールも紹介しようと思う。

プロ野球を観ていると、普段のプレー以外にも見られる光景というものがある。

その一つが、”乱闘”。

理由は様々だが、何らかの原因により激昂した選手が、相手選手に殴りかかったり、詰め寄ったりする光景である。

日本球界では基本的に相手に詰め寄る程度だが、メジャーリーグの場合には更に激しく、激昂した選手がダッシュで相手に近づき、思いっきり殴り掛かる。

なので、外国人選手が詰め寄ってきた際には一目散に逃げるという光景も多い。

また、乱闘にはルールも存在する。

バットやボールなどの凶器を使わない”、”自チームの当事者は止めてはいけない”、”乱闘になった場合、全ての選手が参加しなくてはならない”。

特に、”乱闘になった場合、全ての選手が参加しなくてはならない”というルールについては、乱闘に参加しなかった場合、その選手に罰金が課せられることもあるのだという。

さて、それではなぜ、乱闘は起こってしまうのか。

それにはもちろん、デッドボールを食らった打者が感情的になってしまうということもあるが、”暗黙のルールが破られた場合”に”報復行為として”起こることが多い。

では暗黙のルールとはなんなのか”、”報復行為とはなんなのか”を早速紹介していこう。

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野球における暗黙のルール

野球における暗黙のルールは非常に多い。暗黙のルールとは、本ルール上は全く問題は無いが、相手への敬意が失われている行為や、既に勝負が決している状況で記録を狙った自分本位な行為が行われることである。

特にアメリカではこの暗黙のルールが非常に重んじられており、MLBに渡ったばかりの日本人選手は、そのギャップに悩まされることも多い。

これは、日本人は高校野球を通し、一度も負けられないトーナメント制を経験していることから、大量得点差でも全力で勝ちに行く精神が身についているからとされている。

さて、それでは数多くある暗黙のルールを紹介しよう。

攻撃側

・大差(およそ6点差以上)が着いている状況で、カウント3ボールノーストライクから打ちにいってはいけない。また、バント行為や盗塁を行ってはいけない。

・大差(およそ6点差以上)が着いている状況で、投手がバッターとなった場合には、無闇に打ってはいけない。(見逃し三振をしなければいけない)

・相手に連続四球を与えられた場合、次の打者は際どいボールはなるべくスイングしなければいけない。

ゲッツーの場面で、それを防ぐ目的で危険なスライディングをしてはいけない。

・ホームランを打っても、大げさなガッツポーズやゆっくりダイヤモンドを回るなどの行為をしてはいけない。

ノーヒットノーランや完全試合の状況で、それを防ぐ目的でバントをしてはいけない。

連続ホームランの後、初球を打ちにいってはいけない

・デッドボールを食らっても、派手に痛がってはいけない

・アウトになってベンチに戻る際、マウンドを横切ってはいけない

・打者が打席に入る際には、審判や捕手の前を通過してはいけない。(後ろから回り込むようにする)

打者や二塁走者が捕手のサインを盗み見てはいけない

守備側

・三振を奪った際、大げさにガッツポーズをしてはいけない。

・投手はイニングの途中で交代させられても、すぐにベンチ裏に戻るのではなく、少なくともそのイニングが終了するまではベンチ内に留まらなければいけない

投手は野手に文句を言ってはいけない

・相手投手が打席に立ったときには、無闇に内角を攻めてはいけない

・味方投手がノーヒット投球を継続中のときは、その件をベンチで話題にしてはならない

攻守共通

・選手は審判に対し、ストライク・ボールの判定に不服を申し立ててはいけない。

・審判に抗議する際は、審判の指示に従って抗議をする。

・ファールボールを追った相手選手がベンチに落ちる際などにも相手を手助けしてはいけない。

乱闘になった際には、選手全員が参加しなければいけない

 

以上、このような暗黙のルールがある。現在ではあまり厳守されていないようなルールもあるが、日本球界においては大量得点差でのバントや盗塁に関しては厳しく遵守されている。

また、暗黙のルールとは異なるかもしれないが、ルーキー選手がデッドボールを食らった場合、投手を睨みつけるなどの行為をしてはいけないというものもある。(過去、西武・森友哉選手がデッドボールを食らった際に投手を睨みつけ、相手ベンチから選手が飛び出してくるという場面があった)

さて、それではこのような暗黙のルールを破った場合、どのようなことが起こるのか。

野球における報復行為、警告試合

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もし、上記に記したような暗黙のルールが破られた場合には、”報復死球”として、暗黙ルールに関わった選手にデッドボールをぶつける。

このとき、頭部を狙ってはいけない、また、投手にはぶつけてはいけないという不文律がある。

投手へ報復する場合には、スイングした際にバットを故意に投げつけたり、ピッチャー返しを狙うというものもある。

(ちなみに、天才打者・落合は実際にピッチャー返しを打ち報復に成功している)

また、審判団は、試合中のプレーによって乱闘、または両チームの選手による睨み合いなどで一触即発の状態、または危険球により、その後相手チームによる報復行為が行われる可能性があると判断した場合に、「警告試合」を告げることができる。

警告試合が宣告された場合、報復と思われる行為があったと審判が判断した際に、そのプレーに関わった選手や監督を退場させられる権利を持つ。

乱闘の原因

乱闘の原因は、基本的な流れとしては、

暗黙のルールが破られる→それにより、報復行為を行う→ただ報復されただけでは気が済まない怪我に繋がりかねない危険な行為をされたと判断し、乱闘

という流れになっている。

乱闘が行われた際には、ファンは声援を送ったり、応援歌を歌ったりする文化も存在する。

乱闘がひと段落した頃に、乱闘の当事者や監督が退場処分、または数日の出場停止処分や罰金というペナルティが科せられる。

 

しかし、乱闘が原因による怪我や、その影響で選手生命に影響が出ることもあるため、褒められた行為とは言い難い。

まとめ

いかがだっただろうか。

一昔前はよく見られた乱闘の光景だが、近年は乱闘も減少している。これは、WBCなどの代表試合や交流戦を通じ、他チーム同士の交流が増えたためであると考えられる。

また、国内の場合はあまり暴力沙汰には発展せず、にらみ合いになることが殆どだ。

 

しかし、他国ではとても激しい乱闘も行われている。特に珍しい光景だったのが、WBC2013。国際試合にも関わらず、他国同士の乱闘が起こった。

試合はカナダ対メキシコ。9回表にカナダが9-3と大量リードしている場面で、カナダの打者がセーフティバントを成功させた。
これが、大量得点差での暗黙のルールに反しているとメキシコ側に判断され、その次打者にメキシコの投手が連続して危険球を投球。

その結果、大乱闘が発生し、合計7人が退場処分になるという大事件に発展したのである。

このように、特に外国人選手は暗黙のルールを重んじている。また、それを破られた場合には、あからさまな報復行為が行われるのである。

もちろん激昂してしまい、相手に怒ってしまうのは分かるが、そのアツい気持ちは、是非ともプレーで見せてほしいものである。

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