【野球のルール】ピッチャーボークとキャッチャーボークの種類を解説

今回は、野球のルールであるピッチャーボークとキャッチャーボークの種類を解説するとともに、スコアのつけ方も紹介していこう。

野球には複雑なルールも多く、ファンはまずルールを覚えることに一苦労することだろう。

今回取り扱うテーマである”ボーク”も、野球ルールのひとつだ。

しかも、ボークと一口に言っても、適用されるシーンも多く、何がどういった理由でボークとされるのか判断するのは、野球経験者でも難しいところである。

そこで今回は、野球におけるルールのひとつ、ボークの意味や由来から紹介し、理解を深めていこうと思う。

それではさっそく見ていこう。

スポンサーリンク

ボークの意味や由来とは?

そもそもボークとは、野球において投球や塁への送球時における反則行為を指す言葉である。

これは、主に投手に適用されるルールであり、投手が不当に打者や走者に不利になるような行為をすることによって、攻撃側のプレーを阻もうとするのを防ぐことにある。

また、ボークは基本的には投手に適用されるが、時にキャッチャーにも適用される。

このルールは公認野球規則2・03に記載されており、少年野球からプロ野球、MLBでも適用される共通ルールだ。

 

ボーク(balk)の由来は本来乗馬用語であり、「馬が突然立ち止まる」という意味を持っており、「急に立ち止まる」や「躊躇する」といった意味でも用いられる。

これが野球用語として流用され、投球動作中に急に立ち止まるような動作を指す言葉として使われるようになったようだ。

 

ボークを審判に宣告された場合、攻撃側はランナーがいる場合には無条件で次の塁へと進塁を許される。

ランナーがいない場合には、ボールカウントをひとつ計上する。

もし3塁にランナーがおり、ボークが宣告された場合には3塁ランナーはホームへと進塁できる、つまり1点入ってしまうので、かなり痛い違反行為となってしまう。

ピッチャーボークとは?

それではまず、ピッチャーのボークとはどのようなものかを紹介していこう。

投球前に取られるボーク

・セットポジションで静止した状態から、投球前に首から下を動かした。

・一連の流れでセットポジションに入らなかった。(途中で止まってはならない)

・グラブから利き手を離さずにピッチャープレートを外した。

・ピッチャープレートに触れた状態でボールを落とした。

投球時に取られるボーク

・セットポジションの状態から、一度も完全に静止しない状態で投球をした。

・ボールを持たずに投球動作をした。

・バッターが構える前に投球をした。

・ランナーにけん制する振りをしながら投球をした。

・・ピッチャープレートに触れない状態で投球をした。

・投球動作中に体制を崩した。

[ad#ad]

2段モーション

・投球時に一度下げた足をもう一度上げる、または上げた足を降ろす時間を意図的に我慢した。(三浦大輔投手、岩隈久志投手などが該当した)

・打者のタイミングを意図的に外すような動作をした。具体的には、上げた足を降ろすタイミングが毎回違ったり、足を上げた後に長時間静止する、一度足を上げた状態で足首だけを動かすなど。

・振りかぶって投げる際、振りかぶった状態で一度静止した。(ロッキング)。これは松坂大輔投手が該当した。

 

ピッチャーがボークを取られるシーンは様々あるが、基本的にはすべて投球動作中に関わるものだ。

しかし単純にボークといっても、これだけの種類がある。また、2段モーションについては2005年以降に適用されたルールで、2017年現在でも明確化されていない

最近では、菊池雄星投手がシーズン終盤になって2段モーションを取られたことから、辻監督が抗議、ルールの明確化を求めた。(しかし後に、審判は以前から菊池投手に何度も注意をしていたが治さなかった為の措置であると釈明している)

 

下の動画を観てもらうと、いろいろなパターンのボークがあることが分かる。なかには厳しすぎるように感じるものもあるが、投手はこのルールを守った上で投球をしなければいけない。

 

キャッチャーボークとは?

ピッチャーによるボークはよく観るが、実はキャッチャーにもボークは存在する。

2017年、高校野球徳島大会の城東-阿波の試合でキャッチャーボークが適用されサヨナラとなり、一時話題にもなった。

それでは、このプレーでは何がボークを適用されてしまったのか。

それは、敬遠時のキャッチャーの位置である。

これは野球規則にも明記されており、「6.02(a)12 故意四球が企図されたときに、投手がキャッチャースボックスの外にいる捕手に投球した場合。 “キャッチャースボックスの外のいる捕手”とは、捕手がキャッチャースボックス内に両足を入れていないことをいう。 したがって、故意四球が企図されたときに限って、ボールが投手の手を離れないうちに捕手が片足でもボックスの外に出しておれば、本項が適用される。」とある。

キャッチャーには、キャッチャーボックスと呼ばれるエリアがあり、基本的にこのボックス内で捕球を行わなければならない。

この試合の場合でいえば、投手の指先からボールが離れる前にキャッチャーボックスを出てしまった為に適用されてしまったのである。

注意してほしいのは、キャッチャーのボークは、故意四球が企図された場合にのみ適応される。

例えば、スクイズを警戒して大きくボールを外した場合には適用されないのだ。

気を付けないとボークになる?牽制も気を付けよう

さて、ここまで投球動作時のボーク、そしてキャッチャーのボークを説明したが、牽制時にボークを取られるケースも多くある。

こちらもルールが複雑であり、少しでもこのルールから外れてしまうとボークが適用されてしまうので注意してほしい。

けん制時に取られるボーク

・ベースから離れている野手や、ランナーがいない塁にけん制をした。(一塁にランナーがいる際に、二塁にけん制など)

・自由な足を振って、ピッチャープレートの後縁を越えてからの牽制をした。(二塁けん制を除く)

・両肩が動いた後のけん制。

・肩をセンター方向に向けながらのけん制。

・ピッチャープレートに触れながら、足をけん制方向に踏み出さずにけん制した。(ピッチャープレートから足を外していれば問題ない)

・ピッチャープレートに触れながら、塁へ送球する振り(偽投)をした。

 

牽制のボークだけでも、これだけの種類がある。特に、左ピッチャーが一塁にけん制する場合、踏み出す足が少しでもピッチャープレートより後ろ側に逸れるだけでボークを適用されてしまうので、注意してほしい。

ボークの時スコアの付け方はどうする?

それでは、ボークが適用された場合には、スコアブックにはどのように記入すればいいのだろうか。

ボークを宣告された場合には、ボーク(balk)の略で”BK”と記入する。どの打者で、どのタイミングでボークとなったか分かるように、”BK”の横にはカンマを記入する。

ここで注意してほしいのは、ボークは投球カウントには関係しないため、投球カウントの項目には何も記入しないということだ。

 

まとめ

いかがだっただろうか。

ボークだけでもこれだけの種類があり、適用されるかどうかも審判の裁量に委ねられるため、なかなか見分けることは難しいかもしれない。

私は左投手であったため、一塁へのけん制でボークを取られることが比較的多かった。踏み出す足が少しでもピッチャープレートの後ろ縁を越えてしまったらボークになってしまうので、かなりシビアなのだ。

投球をする際には、セットポジションには一連の流れで入り、一時静止すること、投球動作に入ったら止まらず、一連の流れでスムーズに投げることを意識するだけでも、多少は変わってくるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です