プロ野球を戦力外になった選手のその後は悲惨?第二の人生の歩み

今回は、プロ野球を戦力外になった選手のその後はやはり悲惨なものなのか、第二の人生をどのように歩み進めているのかを紹介しよう。

毎年、この時期になると話題に上がってくるのが引退や戦力外通告のニュース。

ドラフト会議を前に、ニュースターを受け入れる体制を整えるために在籍選手との契約を切る。弱肉強食であるプロ野球界では、毎年こうして選手を入れ替え、補強を行っていくのである。

ある程度活躍し、年齢による影響でプロ野球を去る選手もいれば、怪我などの影響で、20代前半で戦力外通告を受ける選手も多くいる。

果たして、戦力外通告を受けた選手達は、第二の人生をどのように過ごしていくのだろうか。

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プロ野球を戦力外になった選手達のその後

プロ野球を戦力外になった選手達。恐らくこれまで、プロ野球に入ることだけを信じて過ごしてきた彼らは、その後の人生をどのように過ごすのだろう。

一般人であれば、社会人生活は60~65歳までは続いていく。20代~30代で戦力外となれば、まだまだ長い人生を働いていく必要がある。

2016年に戦力外通告を受けた選手、引退した選手125人の追跡調査を行った結果、

NPB野球関係・・・88人

その他(地方リーグ等)野球関係・・・22人

野球解説者等・・・6人

一般企業就職・・・37人

未定・不明・・・22人

という結果になっている。やはり野球関係職に就くのが大半であり、一般企業に就職するのは少数なようだ。

さて、戦力外通告を受けた選手達のその後の過ごし方のパターンは様々であるが、ここでいくつかその例を紹介しよう。

プロ現役続行にこだわる~トライアウト~

ひとつの球団を戦力外になったからといって、二度とプロ野球選手になれない訳ではない。

その球団の戦力構想から外れたとしても、他球団からは力になって欲しいという場合もある。

そこで、戦力外通告を受けた選手が受ける12球団合同入団テスト「トライアウト」が存在する。

戦力外を受け、それでも現役続行を諦めない選手達が一同に集まり、試合形式でその実力をスカウト陣に披露するのだ。

カウント1-1からシート打撃形式で行い、ピッチャーは打者3人、野手は4打席を与えられる。逆に言えば、与えられるチャンスはこれっきり。まさしく今後の人生を賭けた勝負だ。

もし球団から声が掛かれば、その球団と再契約を結び、もう一度プロ野球の舞台に立つことができる。

しかし、声を掛けられる選手はほんの一握り。トライアウトは”引退の儀式”ともいわれており、プロ野球としっかり決別するためのテストでもあるのだという。

独立リーグへの挑戦

独立リーグとは、日本野球機構(NPB)が運営するプロ野球とは別に、地域などでつくられた組織が独自に試合を開催している野球のリーグのことである。

2017年現在は、四国アイランドリーグplusルートインBCリーグBASEBALL FIRST LEAGUEが各地方で活動しており、地域に密着し活性化を促している。

最近では、8年総額1億6000万ドル(当時約179億円)で契約した経歴もあるMLBのスター、マニー・ラミレス選手が四国アイランドリーグplusの高知球団に年俸330万円で入団し、話題となった。

もちろん、NPBが運営していないというだけで、独立リーグもれっきとしたプロ野球である。

だが、NPBとは決定的な差がある。それは”給料”。プロ野球であれば、数千万円という数字が当たり前に感じてしまうほどであり、2軍の選手であっても最低でも440万円は支給される制度がある。

それでは独立リーグはどうか。

BCリーグを例にすると、チームの運営費は1億2000万円。プロ野球のスター選手一人分で、チーム全体の運営を行わなければならない。もちろん、年俸に関してもここから捻出される。

選手によって、月給10万円~40万円(上限)が支給されるが、支払われる期間はシーズン中の6ヶ月間のみ。平均額は15万円だという。

NPBとは、まさに雲泥の差である。

ただでさえ野球はお金の掛かるスポーツ。道具の費用や栄養食品の費用などもほとんど自腹で支払わなければならない。

月給15万円では到底生活など出来ないため、選手達はオフ期間をアルバイトに充てながらプレーしているのだ。

地元野球を盛り上げたいという選手もいるだろうが、ほとんどの選手はやはりNPBへの復帰を夢見ている。

独立リーグに所属すれば、再度NPBへ入団することも可能。最大のアピールの場としても、独立リーグは機能している。

しかし、やはり生活は過酷。中にはこの環境に適応できず、野球から身を引く選手もいるのだという。

独立リーグとは、「”プロ野球を夢見る場所”でもあり、”プロ野球を諦める場所”でもある」というインタビューを目にしたことがある。

まさに崖っぷちの思いを抱きながら、選手達はプレーを続けている。

一般企業への就職

ここ数年、一般企業へ就職する選手も多くいるようだ。球団職員の待遇面や、アマチュア指導者への道が狭き門である現実を知る選手が増え、セカンドキャリアを見直す動きが広まっている。

ソフトバンクグループが運営する「イーキャリアNEXT FIELD」でも、セカンドキャリアに悩む元選手達のその後を、一般企業と手を結ぶことで第二の人生を支援している。

また、企業側も積極的に採用を行っている。プロフェッショナルとしてひとつのことを成し遂げたという経歴は魅力的に映るだろうし、「元プロ野球選手がいる企業」という話題性もあり、営業面などでも活躍できるだろう。

こうした動きが広まっているおかげで、元選手達は一般企業へと就職し、第二の人生の一歩目を踏み出すことができる。

だがしかし、問題はその先。「第二の人生の二歩目」とでも言うべきだろうか。就職をしてから、新たな苦悩を味わう選手も多いようだ。

これまで野球だけを行ってきた元選手の中には、社会に適応できずにすぐ辞めてしまう者や、企業の体質の問題で退職を余儀なくされる者もいる。

失礼な物言いになってしまうが、野球だけを行ってきた選手達は、一般企業に勤めている人であれば身に付けているべき一般常識、社会常識が乏しく、そのまま社会人になってしまうが為に適応しきれない。

また、プロ野球界では2軍であっても年間440万円以上は貰えていた選手達が、1年目の月給が20万円前後、年収でいえばボーナスも含めても400万円に届かない企業とのギャップに苦しむ例もある。

また、企業の中には俗に言う「ブラック企業」も存在する。その知名度だけを食い潰し、役に立たなかったらクビを切る、という悪徳な企業や、プロ野球選手だったという経歴が面白くないのか、執拗にパワハラを行うような企業もいるようだ。プロ野球選手だったというプライドが踏み躙られ、耐えられなくなりあえなく退職というケースも多い。

プロ野球選手の抱くセカンドキャリアへの理想と現実

大半の選手達は、例え戦力外になったとしても野球関係の職に就き、コーチやサポート、運営側に回り過ごしていくと考えている。

だが、現実はそのようなルートを辿れるのはほんの一握り。コーチになれる大半は球団に大きく貢献し、華々しく引退した選手達ばかりだ。

毎年放送されている、戦力外通告を受けた選手達を特集する番組もあるが、あのようにトライアウトに見事合格したり、球団職員に就けるのはごく少数。

あの番組の裏で、どれだけ多くの選手達が、自分の第二の人生をどのように過ごしていけばいいのかも分からずに苦悩しているだろうか。

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まとめ

いかがだっただろうか。

活躍すれば日本のスター、そして数億円という普通であれば決して手にすることの出来ない大金を手に入れ、老後も自由に過ごしていくことができるだろう。

MLBに進出すれば、100億円以上の契約や、引退後の年金というサポートまで付いてくる、夢のような世界だ。

だがその裏で、戦力外通告を受けた”元”選手達は、これから先、長く続いていく自分の人生に苦悩するだろう。

独立リーグや社会人として野球を続ける者、一般企業に入り、まったく新しい人生を過ごす者、指導者を目指し、大学に入る者、飲食店を経営する者・・・、進路は様々である。

近年は野球選手のセカンドキャリアを支持する動きも活発化しており、一時期よりは第二の人生を踏み出しやすくはなっているようだが、それでも、これまでプロの野球選手として過ごしてきたプライドなどが邪魔をして、なかなか上手に歩み出せない人も多い。

華やかなプロ野球界。だがその裏で、多くの選手達が苦悩し、涙を飲んでいるのである。

果たして今年、何人の選手達が、その肩書きを奪われてしまうのだろうか・・・。

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