今回は、第43回社会人野球日本選手権1回戦で完全試合を達成したJR東日本東北・西村祐太投手の出身やプロフィールを紹介するとともに、完全試合の基準も紹介しよう。
11月3日、JR東日本東北・西村祐太投手が、新日鉄住金広畑を相手に完全試合を達成した。
社会人野球日本選手権での完全試合達成は、史上初となる快挙である。
これほどの記録を残しているのであれば、ドラフト2018の指名候補として大きく注目されることだろう。
そこで今回は、JR東日本東北・西村祐太投手の出身やプロフィールを紹介していく。
そもそも完全試合とは?
さて、その前に、そもそも”完全試合と何か”を説明しておこう。
完全試合とは投手が成立させる記録であり、9イニング、27人の打者すべてをアウトにし、一人のランナーも出さずに試合に勝つことを言う。パーフェクトゲームとも呼ばれる。
一人のランナーも出さないということは、ヒットはもちろんのこと、フォアボールやデッドボール、そして野手のエラーによる出塁も許されない。
相手に得点を許さない完封試合や、フォアボールやエラーでの出塁は認められるノーヒットノーランよりも難易度の高い記録であるため、投手の記録ではあるが出場している野手にも多大なるプレッシャーが掛かる。
プロ野球においても達成者は少なく、槙原寛己投手(巨人)が1994年に達成して以来、一度も生まれていない。
JR東日本東北・西村祐太投手の出身やプロフィール!
身長・・・182cm
体重・・・79キロ
投打・・・左投げ左打ち
ポジション・・・投手
球種・・・スライダー・チェンジ・スクリュー・カーブ
出身地・・・埼玉県さいたま市
出身中学・・・さいたま市立内谷中
出身高校・・・県立浦和北高
出身大学・・・桐蔭横浜大
県立浦和北高時代は3年夏に埼玉の強豪・浦和学院に破れ、5回戦敗退。甲子園を経験してはいない。
高校を卒業後は桐蔭横浜大に進学し、1年秋からリーグ戦に出場を果たしている。
リリーフなどで活躍し、2年春には創部4年目での初優勝に大きく貢献。3勝、防0.68でベストプレーヤー賞も受賞している。
東明大貴(現・オリックスバファローズ)に次ぐ2番手投手として活躍し、神奈川大学リーグ通算15勝という成績を残した。
大学通算成績は通算15勝7敗、243回2/3、防御率1.48。
大学卒業後は社会人チーム・JR東日本東北に入社。1年目からリリーフとして登板している。
3年目の東北大会では、5大会ぶりの優勝を達成。3試合で12イニングを投げ、1失点の成績を残した。
4年目には4年ぶりとなる都対8強進出を達成しており、2戦で14.2イニングを無失点。先発で2勝を記録した。
都市対抗野球と社会人野球日本選手権の二大大会での通算成績は4試合、2勝0敗、25.2回、19三振、防御率1.05。
2016年の都市対抗野球でも、日本通運戦で8回までノーヒット投球。ノーヒットノーランも期待されたが、9回の先頭打者に本塁打を浴び大記録を惜しくも逃した経験もある。今年で入社6年目。
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技巧派のスリークォーター左腕であり、球の出所が見づらいフォームから繰り出される最速142キロ、アベレージ130キロ前後のストレートと、120キロ台のスライダー、100キロ前後のカーブ、120キロ台のチェンジアップ、120キロ台のスクリューと多彩な変化球を操り、緩急を駆使し相手打線を手玉に取る。
今回達成した完全試合の内訳も、球数90、奪三振5、内野ゴロ10、内野フライ2、内野ライナー3、外野フライ7と、三振よりも凡打を打たせることを徹底しており、その影響で球数も少なく済んでいる。まさしく理想的な技巧派ピッチングといえるだろう。
既に28歳という年齢であり、プロ野球に進出するにはなかなか難しいと考えられるが、それでもこの完全試合という内容はスカウトも注目したことだろう。
まとめ
いかがだっただろうか。
第43回社会人野球日本選手権にして、史上初となる完全試合を達成したJR東日本東北・西村祐太。
達成した西村は、記者からの取材に対し「いい経験になりました。(取材を受けて)ようやく実感がわいてきました。でもプレッシャーになるかも。次に打たれたら、まぐれと思われる。だから次が大事です」と謙虚に次の試合を見据えていた。
野手の守備もあってこその完全試合という記録だが、丁寧にコースを突き、凡打の山を気づいた西村は、素直に賞賛されるべきだろう。
しかし、西村本人も語るように、次の試合で打たれればまぐれと思われる可能性もある。プレッシャーも掛かる次戦だが、ぜひとも注目していきたい。