【高校野球】強豪校の冬季トレーニング&練習メニューを紹介!

今回は、高校野球で強豪高校も行っている冬季トレーニングや練習メニューを紹介していこう。

高校球児にとって、一番過酷な期間と聞かれれば、間違いなく”冬”と答えるだろう。

シーズンオフに入ることで試合も無いため、この冬季期間で徹底的に身体をいじめ抜く。

来春に向けてその肉体を一回りも二回りもスケールアップさせるための、過酷なトレーニングを行うのである。

今回紹介していくのは、そんなキツイ冬季トレーニングや練習を効率的に行うための方法である。

なかには強豪高校も積極的に取り入れているトレーニングもあるので、冬季トレーニングに悩んでいる指導者の方々にも参考になれば幸いである。

それではさっそく見ていこう。

スポンサーリンク

冬季におすすめの技術練習メニュー~打撃編~

まず、冬期間におすすめしたい練習メニューを紹介していこう。

実際にバットやボールを使って身体を動かすことで、より実戦的な練習になるようなメニューである。

ロングティー

まだグラウンドが使える状況であれば、ロングティーはとても有効な練習である。

通常ティーバッティング(トスバッティング)では、斜め前からトスを上げてもらい、そのボールを目の前のネットに向かって打つ練習方法であるが、ロングティーの場合にはネットではなく広々としたグラウンドを用いてボールを打つ練習だ。

緩くトスされたボールを、いかに遠くへ鋭く飛ばすかを、実際にボールを打ちながら身体に染み込ませることができる。

ピッチャーが全力で投げてくるボールとは違い、ボールのスピードを生かした反発を使うことはできない。しかしだからこそ、自分の身体をどう上手く使えば打球が飛んでいくのかを自ら考え、工夫するようになる。

後方トスバッティング

これも通常のトスバッティングとは違い、「後方からトスを上げ、そのボールを前方に打つ」という練習方法である。

この練習の狙いは”身体が前に突っ込むことを矯正すること”にある。

後ろから上げられたトスを、自分の打ちやすいポイントでバットを振る。このときにミートするポイントこそが、その打者が最も打球を遠くに飛ばせるミートポイントである。

後ろからのトスなので、ボールをしっかり目で追うようになる。そうすると、自然とボールを引き付けて打つようなフォームになっている。

自然にボールを引き付ける打ち方になれば、緩い変化球にも上体が突っ込むことなくボールを打つことができるようになっていくのだ。

ロングバット素振り

こちらは長尺のバットを使って素振りをする練習方法。上半身と下半身が回る時間差(捻転)を作り出すのに効率的な練習方法である。

腕の力だけでは到底振り切ることが出来ないため、最初は腕の力に頼って振っている選手も、回数を重ねるごとに腕の力に頼らず、身体全体を使って強いスイングが出来るようになっていき、最終的に自然と身体を使ったスイングをするようになる。

「まず下半身が捻られ、そのパワーが上半身に伝わり強いスイングをする」という基本にして理想的なバッティングフォームとなっていくのである。

赤白トスバッティング

これは、赤色のテープと白色のテープを巻いたボールを用いて行うトスバッティングである。

赤色、白色のいずれかを打者にトスする。打者はその色を瞬時に判断し、赤ならば流し打ち、白ならば引っ張る、という具合に打ち分けていく。

瞬時の判断力、そしてボールに応じて瞬時に打ち分ける感覚を養うことができる練習方法だ。

最初から「引っ張ろう」または「流して打とう」とするよりも、「ボールによって打ち分ける」ことができるようになるため、実際の試合でも「内角なら引っ張る、外角なら流す」といった具合の打ち分けが、瞬時に判断した上で可能になるのである。

コース素振り

これは単純な素振りではあるが、コースを9分割で考え、内角高め、内角真ん中、内角低め、真ん中高め、ど真ん中・・・といった具合にコースごとに10本ずつ素振りをしていく。

コースごとに、自分が最も適したスイング、いわゆる「ヘッドが走ったスイング」ができるポイントが分かるようになるのである。

ただ闇雲に素振りを100本振るよりも、コースごとに素振りをすることでより実戦的なスイングが身につくようになる。

実際、この素振りを取り入れてから、私が所属していた野球部は打率が向上した。やはりコースごとに強い打球を飛ばせるようになったことで、苦手としていたコースでも積極的にスイングできるようになったことが要因だろう。

冬季におすすめの技術練習メニュー~守備・走塁編~

エアノック

大阪桐蔭も取り入れているのが、この”エアノック”。ボールを握る代わりにタオルを握り、各々のポジションで飛んでくる打球をイメージして動いていく。

ボールが無い分、打球に左右されずに自分の理想とする動きを身に付ける効果が期待できる。

ただし、この練習はしっかり意識を持って行わないと全く無意味な練習になるだろう。強いイメージを持ち、身体を本番さながらに動かさなければ、理想の動きは身につかない。

ゴロキャッチ歩き

これは、ゴロを取る際の捕球体勢(股関節を落とした状態)を維持した状態で進んでいく練習だ。

実際にやってみると分かるが、これがかなりキツい。しかし、この練習をすることによって股関節も柔らかくなり、また自然にゴロを捕球する時の体勢が作られるようになる。

実戦的な練習と、体力トレーニングを組み合わせた効率的な練習方法だろう。

内野アメリカンノック

野球部であれば誰もが溜息をつきたくなるほどキツい練習が、このアメリカンノックだろう。

この「内野アメリカンノック」はチームによってやり方は様々あるかもしれないので、今回は私が所属していた野球部で行っていたメニューを紹介する。

まず、選手は一塁のポジションに付く。ノッカーはセンター方向に、ギリギリ追いつけるかどうかの打球を打つ。それを一塁の選手が追いかけていく。

次にノッカーはすかさず三塁線に打つ。選手は三塁まで走り、三塁線の打球に追いつかなければいけない。

三塁線の打球を処理したら、ホームベースの後ろを回って一塁まで戻って再び同じノックを繰り返す、といった練習内容だ。

全力疾走をしなければならず。しかも打球を取れなければペナルティを課せられるため、かなり必死に行わなければならない。

この内野アメリカンノックを一人につき3~5セット、ミスをしたら追加で1セット、といった具合だ。

足腰が鍛えられるとともに、打球に飛び込む感覚が身につく練習方法だ。

[ad#ad]

外野アメリカンノック

これも過酷な練習方法のひとつだろう。内野アメリカンノックに似た練習だが、この外野アメリカンは主に足腰を鍛えることに重点を置いた練習であり、しばしば投手のトレーニングとしても採用されている。

練習方法としては、まずライト側にノックを受ける選手を集め、レフト方向へと走っていく。

ノッカーは、選手がセンター付近を越えたあたりでレフト方向に打球を放つ。

選手はノーバウンド、またはワンバウンド以内にキャッチする。ノックを受ける全選手がレフトへと走り終えたら、今度はライト方向へと同様の動きを繰り返す・・・といった練習方法だ。

足腰を鍛えられるのはもちろん、フライの捕球感覚も補える。また、チーム全体で行えば盛り上がりながら練習ができるので、キツいながらも楽しみながら練習に取り組めるところも魅力の練習方法である。

ペッパー

こちらも体力・実戦ともに鍛えられる練習方法だ。

ボールを手で左右に転がし、受け手はそのボールをしっかりと捕球体勢で捕球する、というシンプルな練習であるが、これも回数を重ねていくごとにどんどんきつくなっていく練習方法だ。

受け手は常に左右に揺さ振られながら捕球をしなければならないため、徐々に下半身に疲労が溜まっていく。

その疲労感のなかで、いかにしっかりと捕球体勢を維持できるかが、練習のポイントである。

回数は30~50回1セット×3程度行い、身体に捕球体勢を染み込ませつつ、足腰を鍛えていく。

冬季におすすめの体力トレーニング

冬季であれば、やはり欠かせないのは体力トレーニング。選手の中にはこの冬季のトレーニング期間で体重を10キロも増量し、春には急激にホームラン数が増える選手も多い、

選手としてワンランクアップするためには、避けては通れないのが冬季の体力トレーニングなのである。

それではさっそく、おすすめの体力トレーニングを紹介していこう。

メディシンボール・トレーニング

メディシンボールとは、バスケットボール程のサイズの重いゴム製ボールで、これを用いてトレーニングを行う。

使い方は様々あり、例えば腰を捻ってから投げれば側筋、腹斜筋などを鍛えられ、真後ろに放り投げるようにすれば背筋が鍛えられ、腹筋をする際にメディシンボールを抱えながら行えばより負荷を掛けることができる。

特に、腰を捻って投げるような動きは、普通に側筋、腹斜筋を鍛えるよりもバッティングにおいて実戦的な部位を重点的に鍛えることができる。

ロープ登り

天井から伸びる綱を登っていくトレーニングである。日本では古くから伝わるトレーニング方法であり、柔道選手や消防士の方なども、昔からこの方法で身体を鍛えていた。

広背筋を中心に、大円筋や肩にある三角筋、上腕二頭筋、上腕筋、腹筋、そして握力を効率的に鍛えることが出来る。

主に上半身の筋肉をほとんど使わなければならないため、上半身を重点的に鍛えたいという選手にはかなり向いているトレーニングといえるだろう。

最初は足を使いながら登っていき、それに慣れてきたら今度は足を使わず、上半身の力だけで登っていくようにすれば、効果は更にアップする。

重い縄跳びを使ったトレーニング

肘から手首までの前腕と、肩から肘までの上腕に高負荷を掛けていくトレーニングである。

縄跳びはそもそも運動効率がよく、しばしばダイエットなどにも用いられるほど便利かつ簡単な運動方法。

この縄跳びの縄の部分を重いものに変更することによって、腕、特にリストの部分を効率的に鍛えることが出来る。

特に投手にはおすすめしたいトレーニングだ。縫い目を指に掛け、強い回転を掛けるためにはリストの強さは必要不可欠。

急速アップにも期待できるので、投手は積極的にこのトレーニングを採用してほしいと思う。

四股踏み

”四股”とは力士が行う、片足ずつ上げていく動きのこと。これが、トレーニングにおいてかなり効果がある。

両足を肩幅に開き、つま先を少し外側に向ける。股関節周辺の筋肉を意識しながら、ゆっくりと足を上げて、ゆっくりと足、そして腰を下ろして静止する。

実際に行ってみると、股関節が動いているのが分かるだろう。

この四股によって、下半身全体のインナーマッスルの強化、股関節やその周辺の柔軟化といった効果に期待ができる。

この運動、自分の体重だけを使い、自宅でも気軽にできるので、常日頃運動不足気味なサラリーマンなどにもオススメしたいトレーニングである。

丸太やタイヤを使ったダッシュメニュー

想像するだけでもかなりキツいメニューだが、足腰を鍛えることに関していえば、やはり負荷を掛けてのダッシュメニューはかなり効果的である。

丸太ダッシュは、丸太を抱えた状態でダッシュするメニュー。山梨学院は、260メートルを55秒以内でダッシュ。多い日で35本というメニューをこなし、チーム打率.490を叩き出した。

タイヤダッシュは、ロープのついたタイヤを腰に巻いて引きずりながらダッシュするメニュー。こちらもかなりの負荷が掛かるので、足腰を徹底的に鍛えることができる。

丸太はダッシュのほかにも、ジャンプスクワットなどでも高負荷を掛けることができ、アイディア次第で様々なメニューに応用が可能である。

まとめ

いかがだっただろうか。

今回、様々な練習メニューを紹介させて頂いたが、全てのメニューにおいてオーバーワークは厳禁。適度に休息期間を設け、その休息期間はメンタルトレーニングやミーティングに費やすほうが、毎日のようにトレーニングを行うよりも効率的である。

また、強いチームは食事にも気を使っている。強豪出身の選手は、「食事の時間が一番辛かった」というほど、食事に対して力を注いでいるのである。

また、今回紹介しきれなかった体幹トレーニングについては、過去の記事で触れさせて頂いているので、そちらも是非参考にしてほしい。

(※食事トレーニングについてはこちら→甲子園常連校/野球強豪校の食事量やメニューとは?食事制限はアリ?

(※体幹トレーニングについてはこちら→ピッチャーの球速を上げるための筋力トレーニング4選!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です