今回は、読売巨人の村田修一が戦力外になった理由を紹介するとともに、今後はFA移籍か、現役引退か・・・その進退についても触れていこう。
10月13日、読売巨人は村田修一(36歳)との来季契約を結ばないことを通告。自由契約となった。
村田は2012年に横浜からFA移籍し、3度のリーグ優勝に貢献、昨年は三塁手のレギュラーとしてベストナインやゴールデングラブ賞も獲得し、チームに無くてはならない存在として活躍してきた選手である。
年齢的には引退してもおかしくない歳ではあるが、それでもまだまだ現役で活躍できるような選手である。
なぜ、村田は戦力外通告に至ったのか、その理由に迫っていこう。
村田修一が戦力外になった理由
充分に活躍が期待選手である村田。しかし無情にも、巨人は戦力外を通告したのである。
ここまでチームに貢献し、2000本安打という輝かしい記録まで残り135本に迫っており、その記録もこのまま巨人で達成すると思われていただけに、野球ファンの間でもどよめきが広まっている。
マギーの加入による出場機会の低下
マギーが2017年に加入した影響で、今年は出場機会が昨年に比べ大幅に減少。開幕からスタメンを外れ、村田本人も「理由がわからない」と語っていたほど。前半戦は代打での出場が多く、思ったような活躍ができていなかった。
後半戦からは徐々にスタメン復帰したものの、規定打席には届かず、118試合の出場で打率2割6分2厘、14本塁打、58打点でシーズンを終了した。
村田自身も「(起用法について)いろいろ思うところはある」と不満を漏らすなど、巨人の起用方法には疑問が残るシーズンだった。
確かに、マギーの活躍は間違いなく巨人を支えたのは事実だ。139試合に出場し、165安打、18本塁打、打率も.315と、文句なしの活躍をみせてくれた。
しかし、前半戦こそマギーが三塁手として出場していたために村田の出場機会は減っていたが、マギーが二塁手にコンバートし村田のスタメンでの出場機会も徐々に増え、しっかりとチームに貢献していた。
それでも戦力外となった理由。
球団フロントは「マギーはあくまで三塁手。契約は単年だが、来年も絶対に残す方針だ。二塁は吉川尚や、山本ら若手に改めて競わせることになる」と語っており、あくまでマギーは三塁手での起用を考えている。
今年の二塁手の起用は飽くまでも緊急措置であり、来年も「二塁手マギー、三塁手村田」とはいかないようだ。
つまり、この時点で村田は球団側からみれば構想外になってしまったのだろう。
チームの若返りを進める方針、FAでの移籍の難しさ
もうひとつの理由としては、チームの若返りを進める方針、そしてFA権を行使した移籍は難しい、という球団の判断によるものだ。
今年、13連敗を喫し、Bクラスに終わった巨人。チームの主軸は未だに阿部(38歳)という状況であり、再び栄光を取り戻すには若手の台頭は必至である。
これまでなかなか重い腰の上がらなかったフロント陣だが、今年の成績を鑑みて、ようやくチーム再編という考えに至ったようだ。
毎年、ドラフトで若手は獲得するものの、結局チームは大金を出して獲得した移籍選手が主軸。若手は2軍で常に燻っているような状況であったが、ようやく日の目を浴びる機会も増えるかもしれない。
その若手を起用するには、36歳という年齢の村田は方針にはそぐわないという判断なのだろう。
それに加え、球団の言い分としてはFA権での移籍の難しさを考えてのこと。
FA権を獲得している村田の今季の推定年俸2億2000万円はBランク。
権利を行使した場合も獲得球団は金銭に加え、人的補償が必要だった。しかし自由契約となれば、移籍は確かにしやすくなるだろう。
巨人の鹿取ゼネラルマネジャーは「まだ十分に戦力となる選手だが、チームの若返りを図るために苦渋の決断をした。FA移籍では補償が発生する。自由契約の方が選択肢が広がる。これだけ貢献してくれた選手に対するせめてもの誠意です」と語っており、村田の今後を考えた上での決断であることを強調している。
若手を起用したい来季、そしてちょうど移籍の選択が可能である村田。この2つが合致した結果の戦力外、ということなのだろうか。
[ad#ad]村田修一の今後は現役続行か、引退か
36歳という年齢での戦力外通告。普通の選手であれば、そのまま引退を選択する可能性も高いが、プロ15年間で通算1865安打、打率2割6分9厘、1123打点という成績を持ち、2000本安打まで残り135本と迫っている村田ならば話は別。
村田本人も、取材にて「1年契約である以上、来年どこのチームでやるかは分からない」と語っており、現役を続行する意思は固いようだ。
長打を期待できる右打者であり、守備も堅実な選手とあらば、獲得に動く球団は複数いることだろう。
素行について悪い噂も無く、チームの雰囲気を自分色に変えるような選手でもない。代打での起用も増えるだろうが、現役にこだわる意思さえあれば、来季もどこかのチームで活躍してくれることだろう。
現状考えられる球団はやはり古巣の横浜、長打力に乏しい中日や再起をかけるロッテといったところだろうか。
ともあれ、37歳となる来季。引退ではなく、現役続行というのはファンにとっては嬉しいニュースだろう。
まとめ
いかがだっただろうか。
今回の村田修一の戦力外というニュースは、野球ファンにも衝撃が大きかったことだろう。それほどまでに、チームに貢献してきた一流プレイヤーである。
長打に期待できるバッティング、しなやかな守備を持っており、他球団であれば充分に戦力内であろう。
だからこそ、今回の巨人の判断には疑問を感じているファンも多ようだ。
とはいえ、村田という選手であれば、行く先は引く手数多だろう。
2000本安打という記録も間近に迫っている村田。この記録を達成するまでは、是非とも現役を貫いてほしいところだ。