今回は、ドラフト上位指名候補である東克樹(立命館大)のドラフト評価や楽天が指名するという噂、出身やプロフィールも紹介しようと思う。
清宮(早稲田実業)や中村(広陵)高卒野手に注目が集まっているドラフト会議2017だが、大卒投手である東 克樹もドラフト上位候補に挙がってくる選手の一人だろう。
球団の中には、既に1位指名候補として挙げている球団もあるほどの注目左腕だ。後述するが、10月9日に行われた秋季リーグでの登板試合では総勢40名のスカウトが視察に訪れ、間もなくに迫ったドラフト会議2017に向けて、その実力を改めて体感した。
そこで今回は、東 克樹にスポットを当て、紹介していこう。
立命館大-東 克樹の経歴・プロフィール
身長:170cm
体重:78キロ
投打:左投げ左打ち
ポジション:投手
出身:三重県四日市
出身中学:大池中
出身高校:愛工大名電
出身シニア:四日市トップエースボーイズ
高校では愛知の名門・愛工大名電に入学し、1年生ながら控え投手としてベンチ入りを果たした。
2年秋からはエースとしてチームを牽引。甲子園も経験している。
立命大進学後は、1年春のリーグ戦から出場。1年秋にはリリーフとして主力の座を掴み、8戦23回2失点で防0.39(1位)をマークし、徐々に注目を集め始める。
2年時には肘の炎症により戦列を離れていたが、3年春には再びマウンドに上がり、3勝(2完投2完封)、防0.65(1位)でMVP、最優秀投手、ベストナインを受賞。
京大戦では4年ぶり29人目となるノーヒットノーランを達成。一気にプロのスカウトの視線が集中した。
続く秋季リーグ戦(プレーオフの末2位)でも最多タイの5勝(3完投1完封)を記録。
大学日本代表候補にも選ばれており、ここまでの通算成績は35試合登板、16勝(9完投5完封)8敗、196.1回、防御率0.96。
170cmと小柄な体格ながら、最速は152キロという本格派左腕である。
常時130キロ中盤から後半のストレートを投げ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球も操る。
特に魅力となるポイントは、”マウンド捌き”という点だろう。ランナーを出しても落ち着いた投球を見せ、しっかり走者をフォローしつつ打者に立ち向かえる冷静さ、調子の良い時、悪い時によって、その日に合わせた投球ができる器用さは、即戦力として期待できる。
ストレートのスピードに関しても、130キロ中盤から最速152キロと幅があるのは、本人なりのスイッチとなるポイントがあり、打者に応じてスイッチのオン・オフを切り替えているのではないだろうか。
さて、先述したとおり、40名ものスカウトが視察に訪れるほどの好投手である東。それでは、スカウトの評価は一体どのようなものなのか。
立命館大-東 克樹のスカウト評価
最速152キロを誇り、リトル菊池雄星とも称されている東。関西学生リーグで史上初となる2度のノーヒットノーランを達成しており、幾多の歴戦を勝ち抜いてきたようなマウンド捌きはプロからの注目を集めている。
プロ入り後は即戦力として期待もできるため、スカウトからも絶賛の声が上がっていた。
巨人
岡崎郁スカウト部長は 「大学の左投手では一番良い。今まで見た中で一番良かった。Aランクに入るんじゃないか」とその実力を絶賛。
中日
中田スカウト部長は「球持ちがよく、球威が出てきた。1位候補になるのは間違いない。状態が良くない中、いろんな球を使いながら、という印象。1位候補の12人に入ってくるのは間違いない」と1位候補であることを明言。
米村スカウトは「去年よりだいぶ良くなっている。秋に向けて評価は上がるんじゃないか」と成長度合も評価した。
広島
白武佳久スカウト部長は「走者をためても落ち着いているし、投球にうまさがある。1位で行かないと取れない」と、他球団からも注目されていること、そしてマウンド捌きの良さを評価。
ヤクルト
橿淵スカウト部デスクは「球に力があるし、(JR東日本の)田嶋と並ぶ左腕の上位候補になると思う」と、同じくドラフト上位候補である田嶋と同等の評価を与えた。
楽天
長島スカウト部長「打たれたからって評価は変わらない」と言葉少なだったが、ドラフト1位最有力候補としてリストアップしていることが明らかになっている。リップサービスの少なさが、より有力だというなによりの証明だろう。
ロッテ
永野吉成チーフスカウトは「左ではトップレベル。オープンステップ気味で体ごと向かってくる感じだから、右打者は打ちづらいだろうね」と、左腕としての能力の高さを評価した。
オリックス
長村球団本部長は「即戦力になる。左ではトップレベル」と、そのポテンシャルの高さ、そして即戦力で活躍できる投球術を評価している。
日本ハム
大渕隆スカウト部長は「まとまりのいいピッチャー。コントロールがいいし、変化球も多彩」と、投手としての完成度の高さを評価した。
やはり最も評価しているのは楽天ではないだろうか。先述した秋季大会では6名ものスカウト陣で熱心に視察しており、他球団よりも注目度は高いといえる。
先発陣は、藤平が台頭してきたことを除いては不安も残る。守護神・松井裕樹を先発に起用するという手段もあるが、防御率0点台を維持し続けてきた(現在は1.20)守護神をクローザーから外すのは惜しい。
やはり、先発で即戦力として活躍できる左腕が欲しいところだろう。
ドラフトの順位は1位になることだろう。少なくとも外れ1位。2位に残るようなことはまず無いように思う。
即戦力として期待できる投手であり、1年目から1軍のマウンドに立つ可能性も充分にある投手だ。打者フィーバーに沸いてはいるが、水面下では即戦力投手を獲得したい球団もあるだろう。
まとめ
いかがだっただろうか。
即戦力として期待できる東 克樹。国際大会では27イニングを投げ奪三振40、四死球率1.67、防御率は脅威の0.00という成績を残しており、先発完投もできるスタミナ、三振を取れる技術、コントロールの良さ、どれを取ってもAランクの投手だろう。
関西学生野球秋季リーグの関大戦では、初回に151キロを記録。その後指のマメが潰れ無念の降板となったが、7回途中6安打1失点。マメを庇うために変化球主体のピッチングに切り替え、1失点で切り抜けたその器用さも、彼の魅力のひとつだろう。
10月26日に行われるドラフト会議2017。東 克樹に是非注目してほしい。