少年野球用バットで飛距離が伸びる種類はカタリストorビヨンドか?
これまで、野球に使われるバットといえば、木製あるいは金属製のものが一般的であった。
しかし現在、バットは著しい進化を遂げている。その中でも代表的なのが”コンポジット(複合素材)バット”である。
これは、金属素材を基本にしながらも、打撃部分、いわゆる芯と呼ばれる部分にウレタン等を使用することで、通常の金属に比べ格段に飛距離が伸ばすことができるという、革新的なバットだ。
2002年当時、ミズノ社が発売した”ビヨンドマックス”は軟式野球界に革命を起こし、試合でバッターがこのバットを持っているときには「バッター、ビヨンド~!!」とキャッチャーが守備に向かって掛け声を上げていたほどだ。
さて、今ではこのようなコンポジットバットは多数のメーカーから販売されているが、そのなかでも代表的なのは、
・ミズノ社・・・ビヨンドマックスシリーズ
・ルイスビルスラッガー社・・・カタリストシリーズ
上記の2つである。
さて、それでは、コンポジットバット代表ともいえるこの2つのバット、どちらの方がより飛距離が伸びるのか。
バットの特徴とともに、検証していこうと思う。
カタリストとビヨンドマックスの特徴
カタリスト
メーカーは、アメリカのプロ野球選手に最初にバットを製造したことで知られる「ルイスビルスラッガー社」。
アメリカ国内では少年からプロまで人気のメーカーであり、MLBでは約6割のバッターがこのルイスビルスラッガーのバットを使用している。
さて、そんな老舗メーカーであるルイスビルスラッガー社のカタリストの特徴は、「100%カーボン素材のコンポジットバット」ということである。
カーボン素材は「軽量」で「丈夫」、そして「硬い」という特徴を持っており、加工の自由度も高いため、より緻密で繊細にバットを作り上げることができる。
そして、バットの根元部分にチタンや厚さの違うカーボンを巻きつけることで、打った瞬間に生まれる”しなり”を極限まで抑えることで、スイング時のパワーロスを防ぎ、飛距離を稼ぐことができるのである。
また、かなり極端にバットの先端に重心があるため、「振りぬきやすさ」「ヘッドの走りやすさ」は軟式バットの中でもトップレベルである。
遠心力を利用してスイングできるので、まだ筋肉がついていない少年でも振り出しやすく、扱いやすいようだ。
更に、最大の特徴として、このカタリストは「使えば使うほどに飛距離が伸びていく」という特性を持つ。
普通、バットというのは使い始めが一番良く飛ぶといわれている。これは使い続けることでバットの素材が劣化したり、傷やへこみがついたりする影響で少しずつ疲弊していき、飛距離が落ちていく。
しかしカタリストは、ボールがバットに当たるたびに、カーボンにほんの数ミクロン単位で隙間が生まれる。カーボンはもともと、かなり細かく編み込まれているのだが、この編みこみに隙間が生じるのだ。
この編みこみが数ミクロンずつ隙間を生むことで、使えば使うほどに、より反発力が増していくのである。
ビヨンドマックス
メーカーは、野球のみならず様々なスポーツに参入している超大手メーカー「ミズノ社」。
常に新時代を行くメーカーであり、これまでも様々な革新的商品を発売してきた。
そのなかでも野球界で革命を起こし、常識を覆したのが、この「ビヨンドマックス」なのである。
最大の特徴はやはり打球部分だろう。
通常、軟式ボールを金属バットで打った場合、当たった瞬間に軟式ボールが潰れてしまい、かなり大きいパワーロスが生じる。
軟式野球ではホームランが出にくかった原因はまさしくこの影響であり、だからこそ「上から叩きつけるように打つ」というのが軟式野球では絶対的であり、常識的な打ち方であった。
しかし、このビヨンドマックスの登場は、その常識を覆した。
バットの芯の部分にウレタンを巻きつけることにより、ボールが当たった瞬間にバットがへこむことで、ボールの変形を抑える。
ボールの変形が抑えられることにより、当たった瞬間に生じるパワーロスが減り、より遠くへと反発する力が働くのである。
これは言わば、「硬式ボールを打った感覚に近づける」ということである。硬いボールを硬いバットで打った場合には、ボール自体のスピードを利用して反発を生み出し、打球を遠くへ飛ばすことが出来るのだが、いわばこの状態に近づけているのだ。
この効果により、通常の金属バットで打ったときに比べ、10m以上も飛距離に差が出るようになり、外野の頭を超える打球や、スタンドにまで届くような打球も可能になった。
ちなみに、このビヨンドマックスは多くのシリーズが発売されているのだが、その中でも最長飛距離を叩き出すと言われているのは、「ビヨンドマックス メガキング」である。トップバランスであり、ビヨンドの中でも最重量級で、遠心力を利用することでより遠くへと飛ばすことが可能になっている。
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さて、それでは実際に、少年野球でこの二つのバットを使用した場合に、より遠くへと飛距離を伸ばすことができるのはどちらなのか。
筋力や体格、相手ボールのスピードにも関係しているので、”絶対にコチラ”とは言い切れないが、少年野球で使用した場合に飛距離を伸ばせるのは「ビヨンドマックス」である。
理由としては、カタリストは打った瞬間に生まれるバットのしなりを抑えることにより、打球を飛ばす構造になっているので、ピッチャーの球速が遅い少年野球では、そもそも打った瞬間にしなりがあまり生じないため、カタリストの特徴を生かしきれないからである。
ビヨンドマックスは芯で捕らえることができれば、ボールが持つエネルギーをロスが少ないままに返すことができるため、少年野球で打球を飛ばすのであれば、ビヨンドマックスの方が飛距離を稼げるだろう。
もちろん、カタリストも通常の金属バットより遥かに遠くへ飛ばすことが出来るし、使えば使うほどに打球が飛んでいくという特徴もあるので、愛着を持って使えばビヨンドマックスを凌ぐ打球を飛ばすことも可能であるし、打球の速さでいえばカタリストの方に軍配が上がる。
まとめ
いかがだっただろうか。
飛距離はビヨンドマックスのほうに軍配が上がるが、個人的には鋭い打球を打ちたい人にはカタリストをおすすめしたい。
もちろん、この他にも多くのメーカーからコンポジットバットも発売されているので、自分に合ったバットを探し出し、活躍していってほしい。